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みなさん、こんにちは!
蒸し蒸しする日が増えましたね。
この時期から気を付けたいのが熱中症です。
夏になってからではなく、夏になる前の対策がとっても重要!
今回はそのお話をしたいと思います。
早速ですが、暑熱順化(しょねつじゅんか)という言葉を知っていますか。
暑熱順化というのは、からだを暑さに徐々に順応させるという意味。これができているかどうかが、熱中症のような、暑さによる体調不良になるかならないかのわかれ道になるんです。
年間の気温の変化を見ると、気温が上がっていくのって春先から夏に向けてですよね。
最近は、ゴールデンウィーク頃から猛暑日なんて言われる日が出てきたりもしますが、それでも、春先から夏に向けて気温が高くなっていくという傾向自体に変わりはありません。
エアコンがなく、人工的に温度を調節できなかった時代は、徐々に気温が上がって暑くなっていくという自然界の変化に馴れて、からだを合わせていくしかなかったんです。
でも、今はエアコンがある時代。
暑ければ冷房にして、温度も好きなように細かく設定して、人工的に温度を調節できるようになりました。建物の中の温度は一年を通してほとんど変わらなくなって、その結果何が起こったかというと、暑熱順化できない人が増えてしまったんです。
夏も冬も関係なく、いつでも同じくらいの温度の中で過ごせるのはとっても快適!
でも、同時に落とし穴もあって、からだが気温の変化についていけなくなったせいで、熱中症のような夏の不調が増えてしまったんですね。
ところで、暑熱順化できないとなぜ不調になるのでしょうか。
恒温動物、変温動物って聞いたこと、あるでしょうか。恒温動物は体温をほぼ一定に調節できる生き物のことで、変温動物は体温が周りの温度に応じて変化する生き物のこと。
わたしたち人間は、恒温動物。
だから、外の気温がものすごく高くなっても、逆にものすごく低くなっても、いつも同じくらいの体温を維持することができるんです。
外の気温が高いからと言って体温がすごく高くなったり、外が寒いからと言って体温も同じくらい低くなったりはしないのです。
これからの暑い時期、わたしたちのからだがほぼ一定の体温を維持するのに必要なのものは、何だと思いますか?
答えはね、汗をかくこと。
汗は水分です。水分は蒸発しますよね。
蒸発するとき、からだの熱を奪っていくので、体温が下がる。そういうしくみになっているんです。
打ち水と同じ原理です。夏場、庭先や道路に水をまくと、まいた水が蒸発するときに地面の熱を奪って、涼しくなりますよね。
暑熱順化できていないと、この汗がかけません。汗がかけないとからだに熱がこもってしまい、深部体温が上がります。深部体温というのは、からだの中の温度。
かんたんに言うと内臓の温度です。
内臓の温度がもしもどんどん上がってしまったら…?具合が悪くなってもちっとも不思議じゃないですよね。これがすなわち熱中症。
ちなみに、運動不足で汗をかき馴れていない人や、汗が蒸発しにくくなる湿気の多い環境なども汗をかきにくくなる原因になります。
6月あたりから熱中症が増え始めるのは、暑さに馴れていないというだけでなく、梅雨で湿度が高くジメジメしていることも関係しているんですね。
熱中症などの暑さが原因の不調に対策するには、本格的な夏までに、汗をしっかりかけるようにしておくことが大切。
一気に体質を変えるのは無理なので、運動や入浴の習慣を作って、汗をかけるように少しずつ馴らしていきます。
ただし、汗をかく習慣のない人がいきなり運動や入浴を激しくやり始めると、からだに熱がこもってしまい、かえって危険。
ポイントは“徐々に”。
まだるっこしくても、時間をかけて少しずつからだを馴らしていきましょうね!
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